その3.構造主義的思考法が創造を加速させる。
皆さんこんにちは。
AZUKIです!
創造工学研究についてひたすら記述するブログ、
「AZUKIの創造工学研究室」
記念すべき第3回目です。
創造工学とは簡単には、「創造という行為に方法論はあるか」という問いに答えを出そうと試みる学問です。
今回のお題は、
「構造主義的思考法が創造を加速させる」
です。
まず、創造的行為の基本法則に、
「創造的作品を創る為には、その為の手段そのものが創造的でなければならない」
というのがあります。
要は、
「個性的なダンスをしたかったら、練習方法を個性的にせよ」
という事です。
では、個性的な練習方法って一体なんだ!?
というのを逆から攻めるのが今回のブログです。
つまり、
どうやったら没個性的な練習方法を採用してしまう事を避けれるか。
(どうやったら没個性的な練習方法を採用してしまっている自分に気付けるか)
というお話をします。
そして、その為に知っておかなければならない思考法が、今回のお題である「構造主義的思考法」です。
構造主義は知っているだけで、創造性を爆発的に高めるので、難しく感じるかもしれませんが、信じてついてきてほしい。
はじめに僕の師匠である内田樹 先生(神戸女学院教授/フランス思想専門/合気道家)の名著「寝ながら学べる構造主義」の一節をそのまま記述しますので、とりあえず読んでみて下さい。
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『私達は常にある時代、ある地域、ある社会集団に属しており、その条件が私達のものの見方、感じ方、考え方を基本的なところで決定している。
だから、私達は自分が思っているほど、自由に、あるいは主体的にものを見ているわけではない。
むしろ社会集団が受け容れたものだけを選択的に「見せられ」「感じさせられ」「考えさせられている」。
そして、自分の属する社会集団が無意識的に排除してしまったものは、そもそも私達の視界に入ることが無く、それゆえ、私達の感受性に触れることも、私達の思索の主題となることもない。
私達は自分では判断や行動の「自立的な主体」であると信じているけれども、実は、その自由や自立性はかなり限定的なものである、
という事実を徹底的に掘り下げた事が構造主義という方法の功績なのです』
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いかがでしょうか。
少しわかりやすく、
僕自身を例にしてみましょう。
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「僕の持つ全ての思考は僕の意思によるものではなく」、
全て、
僕の生まれた時代(1989年の日本)、
生きてきた時代(1989〜2016年の間の日本)、
住んでいる場所(1989〜2016年の間の日本)、
所属している社会集団
(1989〜2016年の間に生きている人のみで構成されているお友達や会社の人)
触れてきた情報や環境
(1989〜2016年の間の日本の学校教育やテレビ番組など)
の影響によって、
「受動的に形成されられている」
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ということを言っている訳です。
ちなみに「ブログを書き始める」なんていうのがまさに良い例ですよね。
その発想自体は(2016年現在の日本において)まるで創造的では無いですし。
さて、ここで、
更にわかりやすくする為、
僕の本業であるダンスで例え話をひとつ。
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例えば、A君が、独創的なダンサーになりたいと思って、独創的なダンサーとして有名な〇〇先生のレッスンに通い始めたとします。
さらにA君は、アフリカンダンスやジャズダンス、タップダンス、レゲエダンスなど多種多様なジャンルのレッスンにも通い始め、本気で独創的になろうと努力したとします。
果たしてA君は独創的なダンサーになれるでしょうか。
答えは、なれない、です。
何故なら、
独創的なダンサーになりたいから、
ダンススタジオに通って、
独創的なダンサーのレッスンを受けるという発想に至る
「思考回路そのもの」が、
「2016年現在の日本において、全く独創的ではない」からです。
構造主義的に表現するなら、
「ダンススタジオ文化が強烈に根付いている時代(2016年現在)の日本に住んでいる、という環境」
によって、
A君は自分でも気付かぬうちに、
「ダンスをうまくなる為に、ダンススタジオに通うという(2016年現在の日本で、全く独創的の無い)選択」を、
「させられている」訳です。
A君は、「全く独創的で無い方法」で、「独創的になろうとしている」訳です。
まるで、「アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいる」が如しです。
そして恐いのは、A君は自分がその状態にいることに「気付いていない」事です。
(ぞっ…)
しかし、構造主義を知っていると、
「とりあえずはそんな自分に気付く事(自覚する事)が出来る」
訳です。
そして、構造主義を知っていると、
「今、自分が、大多数の人と同じ選択をしてしまっているかどうか、常に自分をチェックする様になります。」
(これが重要です)
もし今あなたが独創的でありたいと願いつつも、A君の様な練習方法を採用しているとしたら、
まずはそこから脱出する事が必要です。
その脱出方法を模索するところに創造という行為の面白さがあると僕は思っています。
では今日はこの辺で!
何かヒントになりましたでしょうか。
またねっ!
AZUKI
p.s.
クリエイティブになりたいと努力をするあなた。「クリエイティブという2016年現在日本で大流行中の言葉を使って思考している」時点で、少しもクリエイティブではない、という事にまず気付いておきましょう!
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